「新しい歴史教科書をつくる会」 平成19年6月6日
会 長 藤岡信勝 殿
副会長 杉原誠四郎 殿
同 高池勝彦 殿
同 福地 惇 殿
理 事 上杉千年 殿
同 遠藤浩一 殿
同 九里幾久雄 殿
同 小山常実 殿
同 桜井裕子 殿
同 高森明勅 殿
同 濱野晃吉 殿
同 福田 逸 殿
同 吉永 潤 殿
監 事 平野富国 殿
同 梅原昇平 殿
「新しい歴史教科書をつくる会」
東京支部長
島ア
東京三多摩支部長
渡邊 眞
茨城県支部長
川又和敏
群馬県支部長
中山清文
<藤岡新体制に期待する>
さる5月30日の第105回理事会に於いて、小林氏の会長並びに理事の解任が確定した事に対し、私達は「つくる会」と「新しい歴史教科書」の存亡の危機を回避すべく決然と起ち上がられた理事各位のご覚悟に、深甚なる感謝と賛同の意を表明いたします。
また藤岡信勝氏の会長ご就任にお祝いを述べますと共に、会長並びに理事各位が、「つくる会」創立時の理念である趣意書の精神を今後とも守り抜く新たなご覚悟を示されん事を請い願うものであります。
ところで、小林会長の解任決議で全てが解決されたわけではありません。
会長解任は<小林路線>の否定に過ぎず、<小林路線>を誘導した「つくる会」潰しの<扶桑社路線>こそが「つくる会」の存亡の危機を招いた元凶であり、私たちは一致団結して是に対処せねばなりません。
扶桑社はいわゆる三者協議で「つくる会」を支配し、隷従させ「新しい歴史教科書」を出版させまいとしましたがそれが今回破綻しました。
扶桑社と連携している教育再生機構は『教科書作成へむけた編集・執筆体制について』という文書を出し、その基本方針として、〈現行版の歴史教科書の大幅改訂による内容一新〉、〈書名の変更〉と〈教科書としての完成度を高めるための従来執筆陣の見直し〉を挙げています。
また、扶桑社の要請で屋山太郎氏が設立した教科書改善の会は、教科書作りへの理念も歴史観も示すことなく、再生機構の教科書作りを〈現行教科書の比較研究による改善の視点の提示〉することで支援し、助言することを会の目的の一つにしています。これはとりもなおさず、扶桑社が出版する再生機構版教科書は「つくる会」の「新しい歴史教科書」を「改善」したものではなく、「改竄」したものになることを示しています。
斯様な扶桑社の企ては「新しい歴史教科書」執筆者の著作権への侵害であり、執筆者の誇りを一顧だにしない「つくる会」と「新しい歴史教科書」潰しの為の確信犯的な行動と言わざるを得ません。
屋山氏の教科書改善の会は、再生機構版教科書を作ろうとして12名の著名人に世話人への就任を呼びかけています。その12名とは、石井公一郎、小田村四郎、櫻井よしこ、曾野綾子、中嶋嶺雄、中西輝政、西沢潤一、藤原正彦、三浦朱門、三宅久之、村上和雄、渡部昇一の各氏であり「つくる会」とも縁の深い有識者の方々ですが、これは保守の著名人を利用することで、歴史観や理念のない教科書に権威を与えようとしていると取られてもしかたありません。
上記の方々は保守の論客として日本にとって大切な方々ですが、果たしてこの度の扶桑社と「つくる会」の軋轢の経緯を十分にお分かりなのかどうか危惧せざるを得ません。
「内紛続きのつくる会」などという扶桑社の一方的なデマを吹き込まれ、真相を理解することなく「つくる会」と「新しい歴史教科書」潰しに荷担することになれば、会員の間だけでなく一般国民にも「つくる会」の理念や歴史観に対する疑念や動揺が広がるでしょう。
著名人を利用した扶桑社の「つくる会」と「新しい歴史教科書」潰しの企てを阻止することに私達は全力を注がねばなりません。その為には、今回の小林会長解任に至る経緯をしっかりと総括する文書を公表し、「つくる会」の立場を鮮明にしなければならないでしょう。
藤岡会長の「会長声明」にあるように、〈この10年間で日本人の間に健全なナショナリズムが芽吹くきっかけ〉に寄与したのは「つくる会」の運動でした。これを潰そうとする扶桑社の企てが、保守にあるまじき行為であることを上記の著名人に気付かせ、「つくる会」への協力を取り付ける努力を早急にすべきです。
更に、昨年の総会で公表すべきであった「六理事辞任に至る経過報告」を、改めて公にするべきでしょう。公表しなかったが故に総てが有耶無耶になり、「つくる会」を出て行った者に正当性があるかのような錯覚が未だに世間に根強いのです。この錯覚は今後の「つくる会」の活動に計り知れない困難を齎す怖れがあります。
今回の経緯を振り返ってみれば、「つくる会」は扶桑社の理不尽な行動に対し、終始、歯がゆいほどに根気よく紳士的に振る舞ってきました。それを良いことに扶桑社は「つくる会」潰しの行動を現在も当然のように進めていることは、道義的にも社会通念としても決して許されない暴挙と言わざるを得ません。扶桑社との関係が最終会談で断絶と決まった以上、「つくる会」の貴重な財産を簒奪し、進路を阻もうとする扶桑社とは決然と対決するしかありません。
藤岡新会長並びに理事各位におかれましては、「つくる会」の再生に当たり、会の存続を盤石にするためにも、先ずは「つくる会」の進路を阻む勢力への果敢な戦いを躊躇することなく、自らが率先して推し進めていただくよう切に願うものであります。
私たち4支部も、非力ながら不惜身命の協力を惜しまないことを申し述べておきます。
以上