「新しい歴史教科書をつくる会」             平成19年5月18日
 会 長  小林 正 殿
 副会長  高池勝彦 殿
  同   福地 惇 殿
  同   藤岡信勝 殿
 理 事  石井昌浩 殿
  同   上杉千年 殿
  同   遠藤浩一 殿
  同   小川義男 殿
  同   九里幾久雄殿
  同   桜井裕子 殿
  同   杉原誠四郎殿
  同   高森明勅 殿
  同   濱野晃吉 殿
  同   福田 逸 殿
  同   吉永 淳 殿
 監 事  平野富国 殿
  同   梅原昇平 殿
 

「新しい歴史教科書をつくる会」東京支部長      島ア 
                   同    東京三多摩支部長 渡邊 眞
                                   
同    茨城県支部長   川又和敏

〈小林会長の罷免と一部理事の解任を要求する〉

  我々は、去る511日のFAX通信192号で明らかにされた≪あくまでも、趣意書に基づく『新しい歴史教科書』を守る≫と表明した「つくる会」の決議に、満腔の賛意を表する。

 今回の決議は、昨年の小林会長就任時から引き起こされた「つくる会」と「新しい歴史教科書」の存亡の危機を回避する第一段階の行動であり、いわゆる小林路線の完全なる否定であると我々は認識する。ほぼ一年に亘り組織と教科書の抹殺を謀り、不毛な時間を「つくる会」に強いた小林路線の否定は、同時に小林会長の罷免を伴わなければ意味がない事を強く主張する。

この重大決議にも拘わらず、小林会長は去る5月11日の日本会議東京本部理事会終了後、引続き行われた教育講演会において、「新しい歴史教科書をつくる会会長」の肩書きで、決議の重さを嘲笑うかのように以下のように述べている。《「つくる会」に愛想を尽かした扶桑社は子会社をつくって新たに教科書を出すことになった。バックにフジテレビがついているので出版については心配ない。自分は「つくる会」の改革を図る為に会長職を引き受けた。しかし残念ながら一部会員の妨害によって理事会が旧路線に戻る決定をし元の木阿弥になってしまった。今後のことは小田村顧問ほかと相談し、何とか巻き返したい。》

 理事会の決議は拘束を伴う筈であるが、公の場で小林会長が上記のように発言したことは許し難い事であり、「つくる会」の規則に則っても十分罷免に値する。また、決議に当たって小林路線を支持する複数の理事が居たが、今後の運動に於いて彼らと「つくる会」の理念を共有する事は不可能であり、その様な理事の存在は「つくる会」の将来に計り知れない禍根を残す事になろう。

 従って我々は、第一段階として、可及的速やかに小林会長の罷免と小林路線を支持する理事の解任を要求するものである。

〈「新しい歴史教科書」の換骨奪胎の企みを阻止せよ〉

 「つくる会」と「新しい歴史教科書」の存亡の危機は、第一段階の行動で阻止できるものではない。扶桑社と教育再生機構、教科書改善の会は「新しい歴史教科書」の全面書き換えを広言している。彼らの意図するところは、「新しい歴史教科書」を骨抜きにすることで世間に「つくる会」と「新しい歴史教科書」の役割が終わったことを印象つける事にある。今回の問題を教科書出版の主導権争いとか、保守の教科書が二つできるのは良いことだなどとする意見があるが、我々はそのように問題をはぐらかす事は断固反対する。 十年に亘る「つくる会」の運動は、我々が意識するとしないに拘わらず、国内に健全なナショナリズムを喚起し、改正教育基本法に繋がったことを想起すべきである。

 しかるに、歴史認識に於いてささやかな我が国の主張を記述した「新しい歴史教科書」を〈過激な教科書〉としてこれを排除する行動に出た扶桑社とその協力者の背後には、他国では当たり前の健全なナショナリズムを潰そうとする外国の強い意志が働いていると感知すべきである。これを看過するならば「つくる会」のみならず、我が国の存亡の危機を招くことになる。

  『我が国の歴史の陽の当たる部分について大らかに語ることに何の遠慮があるべきか』これこそ将に「つくる会」設立時の趣旨であり、守るべき理念である。扶桑社を中心に「オールジャパン」を標榜する反「つくる会」が結成されるそうだが、外国に阿る保守の不実を、広く多くの各界の有識者に訴え、この謀略を阻止しなければならないと我々は信ずる。 

 去る4月27日の我々が<本部混乱についての意見並びに提案>で提示した内容に加えて、喫緊の問題として「新しい歴史教科書」の換骨奪胎を阻止する活動を行うよう我々は要求する。