“お力を貸してください”
「つくる会」会員の皆様へ
「新しい歴史教科書」をご支援いただいてる皆様へ
従来、私たちの教科書は「つくる会」の会員が分担して執筆し、教科書全体の編集を統括する監修権を持った代表執筆者と扶桑社の編集者とが協議し、扶桑社が出版に携わってきました。
「つくる会」の発足以来、「つくる会」と扶桑社の2者による教科書作りは何の問題も支障もなく、10年に亘って行われて来たのです。その間2回の採択を経て微増とはいえ着実に部数を増やし、世論に大きな影響を与えてきました。そうして出来た現行の「新しい歴史教科書」第2版は、3年後の採択の為の検定にも殆ど手を入れる必要のない、ほぼ完成された教科書と評価されていることは皆様ご承知の通りです。
ところが突然その扶桑社から、今までの2者の関係を清算し、八木氏の「教育再生機構」を加えた3者で教科書をつくる案が提示され、しかもこの案が実現しない限り教科書出版から手を引くという、今までの「つくる会」との関係を無視する一方的な内容でした。
八木氏は今年3月「つくる会」を混乱に陥れて去り、後に「教育再生機構」を立ち上げた元「つくる会」会長ですが、朝日新聞に批判されない歴史教科書を作ると広言している人物であり、その姿勢から見て「つくる会」とは相容れない立場である筈です。
更に扶桑社は、その様な人物が率いる「教育再生機構」と「つくる会」で教科書執筆者を半々に構成し直し、「新しい歴史教科書」を書き直させる為に、代表執筆者も新たに選定するとしています。代表執筆者の監修権とは、「つくる会」の理念を踏襲し、教科書の質を維持する不断の努力を担保する極めて重要な権限でありますが、扶桑社の意図するところは、監修権を「つくる会」から取り上げ、朝日新聞に批判されない教科書を作る事にあると思われます。
私たちはこの様な扶桑社と教育再生機構の横暴を許すわけにはいかないと考えます。
扶桑社が「教育再生機構」を入れた3者による教科書作り、いわゆる「三者協議」なるものを突然提案し、それに「つくる会」が何故巻き込まれなければならないのか、というのが私たちの根本的な疑問です。
この疑問に答えていただくべく小林会長並びに理事各位に質問状を出させていただきましたが、納得のいくお答えを未だに戴いておりません。
本部では小林会長が扶桑社の提案を受けて独断専行して三者協議を推進する立場にあり、理事会も小林会長のこれを追認する形で既に三者協議を認めているようですが、根本的な疑問を蔑ろにしたこの決定は、会員として遺憾と言わざるを得ません。
理事会は三者協議の条件として、「つくる会」設立趣意書に則った教科書作りと代表執筆権者を藤岡副会長とする二つを譲れない条件として、小林会長が協議に入ることを認める決定をしたのです。しかしながら、その決定以前に、何故三者協議なるものを受け入れざるを得ないのか、会員や自らに対して得心の行く理由付けをする事が出来ないのであれば、先ずは扶桑社と小林会長による、なし崩し的な独断専行を阻止するべきではありませんか。
一般会員に対し説明責任も果たさない小林会長が、就任直後からの監修権問題に関する独断専行に対して、毅然とした態度を示せない理事会の迷走を、私たちはこれ以上看過することはできません。
私たちは、「朝日新聞が批判しない教科書」を作るためにこの十年の努力をしてきたのではありません。胸を張って世に問うことが出来る「新しい歴史教科書」と「つくる会」を潰そうとする者達に対し、心ある理事各位と共に抵抗していくつもりです。
既に私たちの教科書で勉強している子供達に対する責任の重さを考えれば、当面の混乱を回避すれば良しとする宥和策は採ってはならないと思います。
全国の「つくる会」会員諸子と「新しい歴史教科書」を支援して下さる多くの方々におかれましては、私たちのこの思いと決意をご理解賜り、お力をお貸し下さいますよう衷心から御願いするものです。
平成18年11月17日
「新しい歴史教科書をつくる会」東京支部 支部長 島崎 隆
東京三多摩支部 支部長 渡辺 眞