「神武天皇即位の年は西暦181年」とのこと

八木荘司著の「古代からの伝言」は神武天皇即位の辛酉の年とは西暦181年であるという。
この「古代からの伝言」はかつて産経新聞に連載されていた歴史小説で平成19年からは角川文庫から7分冊(日本建国、民族の雄飛、悠久の大和、日出づる国、水漬くかばね、壬申の乱、わが国家成る)で出版されている。卑弥呼と諸葛孔明の関係から書き起こし、実に生き生きと古代の日本人が活躍している姿を書いている。
その第一巻の中で、神武天皇即位の辛酉の年とは西暦181年であると結論付けている。その7年前の神武東征開始の甲寅の年は西暦174年であり、さらに第十代の崇神天皇崩御の年は西暦318年、仁徳天皇崩御の年は西暦427年、推古天皇崩御の年は西暦628年であるとしている。

すると西暦2008年である今年平成20年は皇紀1828年に当たるのである。昭和15年は皇紀2600年で「紀元は2600年」という歌は私も知っているし、歌うことが出来る。零戦は2600の末尾の数字の零をとったものでもあるのは誰でも知っている。しかし神武即位が今から2668年前であることはあまりにも古すぎて、信じがたいことであった。昭和の末年が皇紀1809年、これを神武天皇からしわ天皇までの124代で割ると、平均は14.5年であり、天皇の在位年数が分かっている用明天皇から昭和天皇までの平均在位年数の15.0年と大体一致することから神武天皇即位は西暦181年と見てよいとのことである。辛酉の年は60年に一度巡ってくるのであり、181年ではなく、121年ではないかあるいは241年ではないかという論もあろうが、10代崇神天皇崩御が318年であるので、181年が神武天皇即位なら、10代までは平均13.7年であり、121年であれば平均は19.7年、241年なら平均は7.7年であるから、121、181、241のなかでは181年が一番説得力があると言える。

この誰もが疑問と思っていたことを八木さんは該博な知識をもとにしてきっぱりと結論を出した。皇紀が2668から1828に減じたことを残念がる人もいないだろうと思う。明治初年に決めた事は100年以上の歴史研究によって正されたのである。これをタブーと思う人もいないだろう。皇紀1828年は研究に基づいた立派な年数であり、日本に1828年間連綿と皇室が続いてきたことをあらためて誇りに思うのである。さらにこの巻では「三国志」の魏志倭人伝に登場する女王卑弥呼の邪馬台国は大和平野の北部にあり、九州から来た神武天皇の作った国が南部にあり、西暦245年までは並立していたという。魏志倭人伝にある狗奴国(くなこく)は熊野国(くまのこく)のことであり、熊野から大和平野に攻め込んできた神武東征の国であると結論している。これまた素晴らしい発見である。この「古代からの伝言」で私が抱いていた古代の疑問はすべて解消した。是非皆さんもお読みになられることをお勧めする。