平成20年2月11日
日本国地方議員 各位
アジア太平洋人権協議会
(人権擁護法案を考える市民の会)
代表 平田文昭
人権擁護法案阻止に再び立ち上がろう
冠省 すでにご承知のとおり、自民党では人権擁護法案を今国会に提出するべく、党内手続きが進行しています。
本法案は部落解放同盟・公明党・法務省と学界内の「人権狂徒」を中心とする推進勢力により、過去二回提出が企図されました。しかし、平成15年は衆議院選挙のために、平成17年は、広範囲な国民の強い反対の声と、自民党の真性保守政治家の奮闘により、自民党における提出了解取り付けを阻止し、国会上程を止めることができました。
にも拘わらず今年、平成18年にもまた、推進派は法案成立を目指しています。まさしく「三度目の正直」です。そのため推進派は何としてでも成立させるべく、自民党内の人権問題等調査会に党三役を据え、最強の布陣で取り組んでいます。
しかも推進派の表の中心人物、古賀誠代議士は、今回は自民党選挙対策委員長でもあります。小泉純一郎氏が首相になる前に書いた『官僚王国解体論』(光文社)のなかで自ら述べた小選挙区制の弊害―要約すれば党中央独裁政治化、国会議員の鉢植え化=イエスマン化―により、状況は楽観できません。
二年前の危機的状態のなかで、有志地方議員も立ち上がり、一般国民とともに反対の声を挙げ、阻止に力を尽くしました。小泉純一郎氏の指摘した通りに、小選挙区制度により非民主化された自民党内意思決定システムから、日本の自由と民主主義を守るためには、日本国の有志地方議員の奮起が今回もまた必要とされています。私は、これは「保守」を自負する各位の職責の要請するところである、と敢えて申し上げたく存じます。
各位それぞれのお立場において、各位それぞれに、あるいは会同して自民党内外、法務省に対して、反対の声を挙げて戴きたく、ここに要請する次第です。
敬具
連絡先:jpn.hirata@nifty.com
http://blog.goo.ne.jp/jinken110/
付:法案の問題点は、各位はつとにご承知のことと存じますので、贅言いたしません。ご参考までに別紙に箇条書きで纏めました。詳しくは弊会編集の『危ない!人権擁護法案』展転社刊(03-3815-0721/\1575込)をご覧ください。以上
人権擁護法案の問題点
―平成17年度法案に即して―
【背景から】
1.
推進勢力は反日勢力である。部落解放同盟、公明党、そして学界や法務省内の、連合国への劣等感に由来する人権「狂徒」である。
【法案の内容から】
2.
警察権力同様のあらたな国家権力を創設し、かつそれの恣意的行使を可能とする法律である。
すなわち専制の合法化であり、これを可能にするのが以下の仕掛けである。
@
人権侵害の定義が曖昧。別の言い方をすれば人権委員会の権力行使につき、実効的な抑制規制がない。
A
人権委員会の権限が強大である。
公正取引委員会等と同様の国家行政組織法上の三条委員会である。現在三条に定める委員会と庁は「公害等調整委員会」「公安審査委員会」「中央労働委員会」「船員労働委員会」及び「消防庁」「公安調査庁」「国税庁」「文化庁」「社会保険庁」「林野庁」「水産庁」「資源エネルギー庁」「特許庁」「中小企業庁」「気象庁」「海上保安庁」「海難審判庁」である。
B
人権警察権力の行使者が政治的意図で恣意的に任命されることが阻止できない。
C
人権委員会の下部機構である人権擁護委員に国籍制限なし。これはBに含まれることだが、注意を喚起するため、別に項目として立てる。
D
被疑者の人権が全く保護されていない。
イ)上記の権力行為の根拠となる、「人権侵害」の定義が漠然としている。法案の定義は「不当な差別、虐待その他人権を侵害する行為」とあり、更に「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」とある。その上輪をかけて「これを放置すれば当該不当な差別的取り扱いをすることを助長し、又は誘発するおそれがあることが明らかであるもの」まで取り締まれる。何でも入ってしまうし、「明らか」等の認定を行う者の恣意性を実効的に排除する規定がないから、事務局員のさじ加減でどうにでもなってしまう。しかも対象は「言動」とあり、言論も含む。報道機関条項は凍結されたが、削除はされていないし、報道機関だけが保護されるというのは憲法に保証された国民の権利としての言論自由権の侵害である。
ロ)つまり、運用上は、自称被害者が「自分は人権侵害された」と訴えれば通る法律構成となっている。従って、国民年金、生活保護、雇用、昇進、賃貸住宅への入居、など社会生活におけるあらゆる事項が人権侵害事案となりうる。
ハ)児童の権利条約についての非常に歪曲された解釈が横行している。条約の趣旨を逸脱した「子ども権利条例」を作ってしまった自治体もあり、このような条例に基づいて設置された各自治体の「子ども権利委員会」などが児童生徒に対する教育は全て「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」ということも可能となる。
ニ)国旗国家法制定時の小渕首相、野中官房長官の国会答弁を踏まえ、学校或いは会社において、日本国旗が掲揚され、或いはそれに対する儀礼を要求されると「著しく不快にさせられた」という者は、人権侵害されたことになる、ということを排除できない規定の仕方である。こうした立論は教科書についても同様である。昨今の沖縄集団自決検定問題にはすぐ適用できる。
ホ)平成17年当時になかった新たな状況として、昨年の障害者差別撤廃条約の批准がある。条約批准以前に千葉県でなされた障害者差別撤廃条例制定過程で「差別事案」とされたなかに、知的障害児を普通学級に入れない、というものがある。また成田市では水を自分で飲むことも出来ない重度障害児を普通学級に入れさせないこと、それに水を飲ませる等の業務を教師が行わないことは差別であると教育委員会が非難されていた。また駅、列車、商店、ホテル等「社会参加」の対象となるあらゆる場で程度を問わず障害者が健常者と「実質的に」平等に参加できない状態にあれば、それは全て差別とされることが可能である。
ヘ)人権委員会は、裁判所の令状なくして、被疑者を呼び出し質問すること、被疑者宅や会社等への立入り、関連物品の留置ができる。これらの「処分」は人権委員会の事務局の職員が行うことができる。これらに応じなければ30万円以下の「過料」をかせられる。
ト)人権委員会は五人であり、国会の同意人事であるが、現在の国会状況をみても明らかなように、政治的中立性と専門性が確保される保障はない。たとえ国会同意人事が正しく行われたとしても、五人の委員では事案の調査・判定が不可能なことは明らかだから、実権を事務局員が握ることになる。この事務局員は、条文上も人権委員会委員の権力を代行可能になっている。
チ)人権委員も、在任中「政党その他の政治団体の役員となり、または積極的に政治運動をしてはならない」とあるが、肩書きが役員でなければよく、「積極的」とみなされない政治活動は認められているので、実質的には政治活動は自由である。
リ)これについては、姜尚中東大教授に対する東大当局の処分が参考になる。姜尚中東大教授は、実質国立大学の現職教授(従って入試に関する様々な情報を入手しうる特権的立場にある)でありながら、コリア国際学園という日本の学習指導要領にも検定教科書にも拘束されず、かつ東大等への進学指導を重視する教育を行うことを標榜しているNPOにより運営される学校の理事長に、東大に兼業許可申請をして許可をうることなく就任し、当該学園のウエブサイトにも理事長挨拶を載せていた。このこと拉致問題に取り組む「法律家の会」の川人弁護士に指摘された姜尚中東大教授は、対外的に何ら説明もなく理事長を退任し、設立準備副委員長となった。
(http://blog.so-net.ne.jp/hiratafumiaki/)
東大当局はこれで良しとしている。この姜尚中東大教授事件は、人権委員の政治活動、政党等役員問題がどのよう扱われるかの、前例的事例として見做すことができる。
ヌ)全国で二万人以内となる人権擁護委員(各市町村(含・特別区)におかれる)は、形式上は人権委員の指揮、実際は事務局員に指揮される。彼らは「一般救済手続」として「関係のある公私の団体への紹介」「説示」「啓発」ができることになっている。この人権擁護委員に国籍条項はない。また人権委員にある程度の政治活動の制限もない。部落解放同盟の学習会なるものがどのような名目でなされてきたか、教科書検定や採択・国民年金や生活保護における韓国民団の介入、拉致問題・施設課税問題における朝鮮総連の行動、などを思えば、この規定が何をもたらすか、慄然とさせざるを得ない。
ル)しかも人権委員会は「一般救済手続」に関し「必要な調査」を「学校その他の団体」に委嘱することができる。「その他の団体」に政治的中立性の保障はなく例えば部落解放同盟、朝鮮総連を排除できない。また弁護士資格に国籍制限はないため、日弁連では外国人弁護士も会員となっており会長選挙等の権利を有し、機関決定にも参加できる。こうした団体が、人権委員会から委嘱を受けて人権侵害の「調査」を行うことで、国籍制限を付したとしても、それを裏口から無効化することが可能である。
ヲ)被害者と自称するものが訴訟を起こす場合、国家機関たる人権委員会がこれを「援助」できるばかりか、「訴訟参加」も可能となっている。被疑者には何の支援もなくて、国家機関の後ろ盾を得た原告に対峙しなければならない。また人権委員会は自らが認定した「差別助長行為等」の差止請求訴訟ができる。
ワ)人権委員会は差別をしたとされる者が勧告に従わないときはこれを公表できるが、その勧告が不当なものであっても勧告されてしまえば、有罪とされたも同様である。それが不当なものである場合であっても、救済は全て当該「加害者」の自己責任で訴訟を起こすしかない。
カ)被疑者の個人情報の秘匿等につき、人権委員には罰則規定があるが、人権委員会から委嘱されて業務を行う人権擁護委員を含む個人、団体に対しては条文上あきらかではない。
【総括的に】
3.
警察権力は強い国家権力である。したがってその恣意的濫用を防ぐため、行使の要件を法律で定めている。この法案はそうした法治主義を弊履のように捨て去り専制に道を開くものであって、自由と民主主義を否定するものである。
4.
この法案に規定された勧告、訴訟参加、排除請求訴訟などが実際にどの程度行われるかはわからない。しかしこうした規定は恫喝に利用できることは、少しでも社会経験を有す者には自明である。証明することが難しい人権侵害を名として恫喝し実利を得るという、裏社会、闇権力を跋扈させることにしかならない法律をつくってはならない。つまりこの法律は、公権力による人権恫喝幇助法なのである。
5.
国籍制限は、仮令規定を追加したとしても、公務員にすら国家に対する忠誠義務が曖昧な我が国の状況では、いかようにでも空文化できる。騙され易い点なので要注意である。
6.
上記4.の公権力による恫喝幇助は、大企業や中央官庁より、個人、地域社会、学校、中小零細企業、つまりは国民の大半が所属し生活の基盤をなしているところで、もっとも深刻な被害を、多数の普通の国民に与える。このことを法務省と学界の「人権狂徒」は全く認識していない。社会保険庁の国民の年金問題同様、自分達は何の被害も受けない高みから、イデオロギー的満足のみを求めて対処するからである。彼ら「人権狂徒」にとって、普通の生活者の国民は所詮眼中にないのである。かれらこそ、日本における空き盲の差別者集団である。 以上
【 補 遺 】
2月13日の自民党人権問題等調査会の平成20年第一回会合において、鳩山法務大臣は、所信表明演説で述べた「人権擁護法案再提出」という方針を「白紙撤回」すると述べました。太田誠一同会会長は、「強行的なこと」はしない、と述べています。
しかし、これで安心するわけにはいきません。
太田会長は、堂々意見を述べていただき、政府側にもできるだけそれに応じてほしい、と述べつつ、調査会で意見集約し法律を作り直し、だいぶ性格が違ったものになったとしても何とか今回であげたい、と述べています。塩崎恭久会長代理(司会/古賀派)は、大臣は出したいという意思表示をした、と会の最後で確認発言をしています。
もし白紙から議論するなら、今国会への提出は不可能です。しかし顧問の古賀誠氏以下推進派は今国会に提出し成立させたいのです。出てくるとみなければなりません。白紙の状態からと言いつつ出したいと言う。仕掛けがされていると見なくてはなりません。乞う、ご用心! 完