何様のつもりか、岡崎久彦
8月24日の産経新聞の正論の欄に岡崎久彦の「遊就館から未熟な反米史観を廃せ」という論文が載った。8月20日のワシントンポストにジョージ・ウィル氏が書いた遊就館の展示に関する文「資源の乏しい日本を禁輸で戦争に追い込むという、ルーズベルト大統領の唯一の選択肢として大東亜戦争は起こされた、その結果アメリカ経済は完全に回復したという展示は唾棄すべき安っぽい議論である」を挙げ、ウィル氏の論は正しいとし、この展示には世界のどこにもある反米主義の一部が反映されているとしている。そして岡崎氏自身は扶桑社の新しい歴史教科書の現在の第2版から、反米的な叙述は全部削除したと書いている。そしてアメリカが不況の影響から完全に脱却するために意図的に戦争を起こしたという史観は歴史判断としては未熟、一方的な、知性のモラルを欠くものであると決め付けている。最後に岡崎氏はこの問題の個所を遊就館の展示から撤去せよ、撤去しなければ靖国神社そのものをかばえなくなるとまで書いている。
日露戦争以後米国内に起こった反日・侮日の動きをよもやお忘れではあるまい。黄禍論、日系移民排斥運動、オレンジ計画、アメリカがさせた日英同盟の廃棄、ABCD包囲網、在米日本資産凍結、対日石油輸出全面禁止、ハルノート。太平洋のハワイ、フィリピンなどの島々は順次アメリカによって獲得されていったのだ。またルーズベルト大統領の周辺は多くの共産主義者やコミンテルンのスパイによって占められていたこと、それらの工作によってアメリカは日本を太平洋の戦いに引き込み、ソ連を助けるという謀略にはめられていたことは最近明らかになりつつある。日本軍をソ連に攻め込ませず、南方に向かせるというコミンテルンの謀略にのって、日本を禁輸で戦争に追い込み、日本から戦端を開かせるということが成功したのだ。このことにより、アメリカ国民を怒らせて、その中立政策を捨てさせ、正々堂々と第2次大戦に参戦することが出き、イギリスを助け、ドイツを打ち負かすことが出来たのだ。これらは最近つぎつぎと明らかにされてきた歴史的事実ではないか。どこが未熟な史観であるか。
私は氏の論文の最後の部分について、何様のつもりかと怒りを禁じえない。「この展示を続けるなら、靖国をかばえなくなる」などという不遜な物言いに誰しも怒りを禁じえまい。岡崎久彦の史観だけが唯一正しい史観であるのか、彼一人が遊就館の展示を改変できる権限を持っているのか、岡崎がかばっているから靖国神社はもっているのか。当然、これら展示は多くの歴史家の合議によってきめたものであろう。それをひっくり返せという傍若無人は許し難い。
今回の論文の執筆の動機はジョージ・ウィルの論文である。岡崎自ら遊就館の展示を見て、考えて書いたのではない。ジョージ・ウィルが怒ったから、岡崎が怒ったのである。私は親米である。しかし岡崎のごとく媚米ではない。この岡崎の行動は、アーミテージ氏と湯沢前宮司の対応を思い起こす。アーミテージ氏は靖国神社の遊就館展示内容について不快感情を述べた。これに対し湯沢前宮司は「展示内容は将来、修正もあり得る」と言ったという。これは西尾幹二氏が言うには「媚びへつらい」である。岡崎は湯沢前宮司と連動しているのだ。湯沢前宮司が展示内容修正の可能性をほのめかしたすぐあとに、岡崎が「展示を続けたら、靖国神社をかばえない」という脅しをかけたのである。当然アメリカ側ではアーミテージ氏とジョージ・ウィル氏が連動しているのだ。私はこのアメリカからの展示内容の修正要求を断じて許してはならないと思うのである。中共のA級戦犯分祀要求と同様の許し難い要求なのだということを読者の方々には理解していたいただきたい。